トレイルランニングをするなら必ず持っておきたいのがバックパック、またはハイドレーションパックです。ロードでのランニングやマラソンでは使ったことがないでしょう。なぜトレイルランニングではバックパックが必要なのでしょうか?シューズ選びのアドバイスに続いて、ランニングのためのバックパックについてお話しします。
ロードランニング
陸上競技場のトラックを走るのなら、バッグはトラックのそばに置いておけばいいですよね。持って走る必要はありません。
街の中を短時間(1時間以内)走る場合にも、バックパックはいらないでしょう。腰につけるランニング用ベルトがあれば、長時間走る場合や暑さの中を走る場合に少量の水や補給食を持ち運べて便利です。
慣れてくると「アーバン・トレイルランナー」として街を走ることが楽しめるようになります。2〜5リットルの容量のベスト・パックがあれば、いつでも水分を補給することができて安心です。
トレイルランニングでは自分の安全は自分で守ろう
トレイルランニングでは、ロードランニング以上に自分の安全は自分で守る必要があります。ただ水分補給を欠かさず脱水を避けるというだけではありません。走るトレイルの状況や周囲の様子に合わせて必要なものを身につけておかなくてはなりません。一部のトレイルランニングレースでは、選手が自身の安全を守ることを目的に必携装備品のリストを設けています。
ハイドレーション用ベストパックがいいか、マルチ・アクティビティ向けバックパックがいいか
トレイルランニングではベストを着るように身につけるベストパックと、背中に背負うバックパックの二つが主に使われます。
ハイドレーション用ベストパックはランニングのために作られています。荷物は背中の高い位置にぴったりとフィットして、走っても揺れにくくなっています。ベストパックを選ぶなら、自分の体型に完璧にフィットしたものを選びましょう。最適なサイズを選ぶことと体型にあった形状を選ぶことが大事です。

誰もが慣れ親しんだ形状のバックパックは、ランニング以外のスポーツでも用いられているように様々なシーンや目的にあわせて使うことが可能です。トレイルランニングを始めたばかりであればバックパックは便利でしょう。しかしベストパックに比べて走っている途中に背中の荷物は揺れやすいことは否めません。荷物が揺れるのが不快というだけならまだしも、ひどい場合には背中が擦れて傷になることすらあります。
体の小さな私にとってはフィッティングが最も重要な要素。肩の部分が浮いたり、ザックの下の部分が腰骨と擦れたりしないこと。次に走りながら止まらずにいかに各ポケットにアクセスしやすいかで選択。これはレースでは大きなアドバンテージになります。

NIWA Kaori
走る距離に合わせて背中のパックの容量を選ぶ
走る距離によって、どのくらいの大きさのパックを身につければよいかは変わります。そのほかにも、レースでいい成績を目指すなら装備を軽量化してパックは小さくなり、レースでエイドステーションの間隔が長ければその間の補給のためにパックを大きくします。
レースを走ることを想定するなら、パックの容量の目安は次のようになります。
- 1時間以内:ランニング・ベルトか2リットルのベストパック
- 1〜2時間:2〜5リットル
- 3時間以上:6〜10リットル
- ウルトラトレイルや途中で補給できない環境を走る場合:12リットル
必要な時に必要なものを取り出しやすいことも大事
優れたトレイルランニング用パックは身につけたままで必要な装備を取り出すことができるようになっています。補給食、ドリンク、防水・防寒着、トレッキングポールといった装備をさっと取り出すことで、トレイルで無駄なく効率的に行動できます。パックにはいくつものポケットが設けられています。自分が必要なものを入れておくことができて便利ですが、実際には使わないものを無駄に入れておくことがないように気を付けましょう。
水分補給
パックの体前部のストラップにあるポケットには水を入れたソフトフラスクを入れておくのがおすすめです。手軽に水分を補給することができます。最近では大半のベストパックにフラスクを入れるためのポケットが左右に一つずつ付いています。
ハイドレーション・バッグを使うのであれば、走っている時にバッグ自体が揺れたり中の水分がじゃぶじゃぶと揺れたりしないように、あらかじめ使い方を試しておきましょう。ベストパックにはこうした揺れを防ぐためにハイドレーション・バッグを吊り下げるフックやストラップを備えた専用のポケットが設けられています。


ポケットを活用する
トレイルランニングでは背中に入れておく装備は整理して、必要なものはさっと取り出せるのがベストです。ジャケットやドリンク、補給食を取り出すのに立ち止まらずに済むようにしておきます。



トレッキングポールを使うなら固定できるパックを
トレッキングポールを使うのであれば、ポールを固定しておくためのストラップやコードを備えたパックと合わせて使いましょう。パックに固定できるトレッキングポール・クィーバー(収納ケース)も便利です。