GRAVEL RUNNING 2026AW

FROM TOKYO,
BEYOND.

GRAVEL RUNNER / CHIAKI MORIKAWA

02/ SECOND STORY

OUTER WORLD - KENYA 走ること、繋がること
パソコンを操作する森川千明

PROFILE

森川千明

1987年、新潟県生まれ。中学で陸上を始め、スターツ、ユニクロで実業団選手として12年を走った。1500mの自己ベスト4分12秒75は、当時の日本歴代9位。30歳で競技生活に区切りをつけたあとも、彼女は走ることをやめなかった。いまは女性のためのランニングコミュニティ「Wayz」を運営し、ケニアでの「RUN+Challenge」に取り組んでいる。速さを手放したあとに残ったものを、走りながら確かめ続けている。

INTERVIEW

01

競い合うのではない
ランニングを通して広がった新しい関係

森川千明は、陸上競技歴20年。うち12年を実業団で走った。1500mの自己ベスト4分12秒75は、当時の日本歴代9位の記録だ。

シリアスな競技生活に打ち込んできた彼女は、その後の活動の中でランニングの新たな意味を見出した。走ることをきっかけに広がった人との関わりが、競うのではなく、繋がり合うランニングの価値を教えてくれた。

ケニアで活動する森川千明

「きっかけは、現役時代にチームメイトだったケニア人選手です。ずっと仲がよくて、一緒に競技を頑張ってきた仲間。彼女が国へ帰ることが決まって、ずっと友達でいたいなと思って話をする中で、使わなくなったランニングシューズを集めてケニアへ送る活動が始まったんです。『こんなにきれいなものをどうして捨てるの?』という言葉がすごく心に残っていて。自分たちがいかに恵まれた環境で競技をし続けてきたのか、改めて考えるきっかけになりました。」

02

キリンや牛とともに走り抜ける
信じられないランニング

友人に会うために。そして、送った靴が現地の子どもたちにとって、どんな価値を持つのかを確かめるために。そんな考えを持って、ケニアへ向かった。

ケニアで走る森川千明

「日本からおよそ18時間。雄大な自然の中を走るのは、最高の経験でした。キリンや牛が目の前にいる中で走り抜けるのは、日本では考えられない体験です。『自然は素晴らしい』という言葉では足りないほど、スケールが違いました。未舗装の路面は決して走りやすくはないけれど、足へのダメージは明確に少ない。ケニアでは、決して綺麗ではない靴を大切に履いている人たちに何度も会いました。その姿を見て、自分自身の価値観も揺さぶられました。『自分にとって本当に大切なものは何だろう』と考えるようになったんです。」

ケニアの道を走る森川千明
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03

世界の遠い場所で、
走ることを起点に広がる縁

RUN+CHALLENGEは、そんなきっかけで生まれた活動だ。ランニングを中心に、挑戦をする女性たちをサポートするコミュニティで、サロモンのサポートの元、第一回としてケニアでのフルマラソンとシューズ・ドネーションの旅が実施された。

RUN+Challengeの参加者たち
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「自分一人でできることは決して大きくない。せっかく世界の遠い場所まで行くのだから、もっと活動を広げたいと思いました。その思いを持ち続ける中で、さまざまな人や企業とつながり、発展していったのがRUN+Challengeです。今回、ケニアでは、5人の女性メンバーが挑戦する姿をドキュメンタリーとして記録しました。時代が変わっても、国や文化の違いは大きい。それを伝えながら、もっとみんなで楽しんで走れるように、という思いがあります。」

04

それぞれの目で、脚で、体で感じたケニア

RUN+Challengeに参加したメンバーに、それぞれこの体験を振り返ってもらった。

「走りながら見た、どこまでも遠く続く広大な大地と野生動物たち。そして、走る私たちに興味を持って応援してくれるマサイ村の人たちのことを、一生忘れない。」
中村優/走るタレント

「20km過ぎたあたりから辞めたい、辞めたくないの繰り返し。ワクワクとつらさが行ったり来たりでしたが、最後まで走り切れたのは一緒に走ったchallengerやサポートしてくれているみんなの気持ちを力に変えられたからだと思います。」
多田野彩香/空手の先生

「人生初のフルマラソン。標高が高く、火山灰がつもる道で、何度も『もうやめたい』と思いました。それでも一歩ずつ前へ進み、走り切った時の達成感は今でも忘れられません。自分で自分の限界を決めず、挑戦し続けたい。」
池田但仁愛/フィットネススタジオ経営/フィットネストレーナー

靴を手渡す森川千明
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05

走るという行為はもっと自由で、
もっと境界線がないもの

挑戦するということは、結果に関わらず人生を豊かに変えていく。そして、そのきっかけは実は些細なものなのかもしれない。走ることは、日常の中にある身近な行為だ。その身近な行為に向き合って、多くを受け取ろうとする姿勢こそが重要なのだろう。

木立の中を走る森川千明
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「ケニアで走って改めて感じたのは、トラックだけがランニングの場ではないという当たり前の事実です。土や草を蹴って、野生動物が行き交う道を進む。そういう環境は極端ですが、走るという行為はもっと自由で、もっと境界線がないものなんだなと思いました。人と人の関わりにおいても同じことが言える。グラベルランニングというスタイルは、特別なものではなく、身近なもの。いろんな境を越えながら走り続けていきたいと思います。」

KENYA PHOTOGRAPHY: Yoshi Travel Films

SHE RUNS WITH

ランニングウェアを着て森に立つ森川千明