“グラベルはロードからの自然な進化ですが、トレイルへの飛躍ではありません。”

David Jou
（デイビット・ジョー）

DAVID JOU：グラベルランニングの多様性を見つける

David Jou は、理学療法士であり、Motiv NY の共同設立者兼ブランドディレクターです。彼は徒手療法、持久力競技、アウトドア プログラミングを専門としています。ニューヨーク在住の彼は、大都市でのランニング体験と、ランニングに変化をもたらすための努力についてこう語ります。

 

あなたにとってグラベルランニングとは何ですか？

主にロードでトレーニングする都会暮らしの人間であり、ニューヨーク州北部のテクニカルな地形を好むウルトラマラソンランナーである私にとって、グラベルランニングは私の求める多様性を提供してくれます。グラベルランニングは魅力的で、私のルーティンに多様性とクロストレーニングを加える効果的な方法であり、関節にどれほどいい影響を与えてくれるかは言うまでもありません！トレイルランニングやロードランニングとは異なり、グラベルランニングはソフトで自然、魅力的で安全、さらには回復効果もあります。「速い、ハード、長い、急勾配」などの言葉では、グラベルランニングの本質を十分に表現しきれません。だからこそ、ランナーを惹きつけるのだと思います。また、ランニングは競争心を掻き立てることが多いですが、グラベルではそれがモチベーションにはなりません。考え方は、競争から発見・探検・冒険、そして楽しみへと変わります。

グラベルランニングの特徴はその冒険的で探求的な姿勢にあり、変化に富み、自然豊かで予測不可能な地形が舞台となります。そのため、ランナーには順応性と自立性が求められるのです。対照的に、ロードランニングはパフォーマンスと一貫性が求められ、よりアクセスしやすいものになっています。

ニューヨークでは、公園に土道や馬道があることに驚かされるでしょう。数年前にようやくそのことを知ったとき、他のランナーたちも同じようにそれらの道もミックスしたランニングをしたいと望んでいるとわかりました。ロードランニングで得られるものとは対照的に、砂利道を走ることで、ランナーはユニークで面白い路面を体験することができますが、トレイルランニングのようなスポーツに打ち込むことを強制はしません。ロードからトレイルへの移行は自然なものなのです。

グラベルコミュニティとはどのようなものですか?

グラベル ランニング コミュニティは、冒険、探検、友情に根ざしています。そして、自然な地形の予測不可能性を好み、スピードや競争よりも体験を重視します。また、グラベル ランナーは、その日何が起こっても対処できるよう、適切な装備とエネルギーを備えています。彼らは、仲間意識と責任感を大切にする、結束の固い協力的なグループなのです。順応性と回復力に優れ、前向きで冒険心のある精神で、どんな状況にも立ち向かう準備ができています。

そして、グラベルコミュニティは、社会的なつながりや知識の共有を促進し、モチベーションを高めてくれます。グラベル ランニングというスポーツは、人々が集う方法を提供し、ランナーたちが屋外を探索しながら一緒にトレーニングやレースに参加することを可能にしてくれます。これにより、ランニングという孤立したスポーツになりがちなものを、より社交的で、参加しやすく、楽しいスポーツに変えてくれるのです。

CHRISTIAN MEIER：ロードバイクからグラベルランニングへ

Christian Meierはカナダ出身のサロモンランナーです。2008年から2015年にかけて、カナダロードバイク選手権で何度も表彰台に上がり、世界選手権やヨーロッパのThe Classicsの大会にも出場しました。彼はスペインのジローナにあるランニングクルー兼コンセプトストア「Overland Running Provisions」と、自転車とコーヒーの店「La Fabrica」の共同創設者です。

 

あなたにとってグラベル ランニングとは何ですか？

グラベル ランニングは人によって感じ方が異なるため、定義が難しいです。個人的には、どこまでできるか極限まで追い込むことで、グラベルランニングを通して自分の限界を試しています。特にアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパの一部では、多くの人にとって、グラベルランニングとはロードを離れるという意味合いが強くなっています。競争性を求めていない人にとっては、グラベルランニングは非常に魅力的です。というのも、より安全で、よりアクセスしやすいからです。

ジローナはカタルーニャにある小さくて静かな町で、喧騒からは離れています。ピレネー山脈は非常にテクニカルな地形ですが、簡単にアクセスでき、滑らかでテクニカルすぎない平坦なトレイルもあります。そのため、グラベルランニングには最適な場所で、ここでグラベルランニングが人気になった理由がわかります。人々は外で時間を過ごしたいものなので、一度アウトドアを味わったら、何度も通いたくなるのです！

私たちのショップ「Overland」では、ランニングやその他のアクティビティを通して人々を集め、地元の人たちと外から来た人たちを交えたコミュニティを育むことに多くの時間を費やしてきました。そしてこの街は、アクティブなライフスタイルを求める人々の国際的なコミュニティへと進化してきたのです。

“ピレネー山脈は非常にテクニカルな地形ですが、簡単にアクセスでき、滑らかでテクニカルすぎない平坦なトレイルもあり、グラベルランニングに最適です！”

Christian Meier
（クリスチャン・マイヤー）

ロードランニングからグラベルランニングに移行するにはどうすればいいでしょうか?

ロードランニングからグラベルランニングへの移行は、基本的には同じタイプのシューズを使いながら、タイヤを太くするようなものです。これにより、簡単で流れのあるトレイルを走り始める自信がつきます。ロードからグラベルへの移行は、グラベルからトレイルへの移行ほどはっきりとしたものではありません。ロードで走る人の多くは、ランニングに変化を求めて、すでにルートにグラベルを取り入れており、自然と公園のトレイルで走ることになるのです。

私にとって、ロードランニング、特にマラソンのトレーニングをしているときは、より真剣なものに感じられます。私は必ずしも楽しみや頭の整理のためにロードを走ろうとは考えていません。それはグラベルでやるでしょう。ゆっくりと走り、立ち止まって写真を撮ったり、カフェに入ったり...。ただアウトドアを楽しみ、人々と一緒にいることを楽しむ、ということなのです。

GUILLAUME SANCHEZ：ミシュランの星を獲得したシェフ、NESO PARIS の創設者、サロモン アンバサダー

 

グラベルランニングとロードランニングの違いは何ですか?

私にとってグラベル ランニングが際立つのは、その柔軟性にあります。私はランニングをトレーニングではなく楽しみだと考えています。ほとんどのランナーにとってランニングは、仕事や課題のように感じる必要はなく、日常から離れその瞬間を楽しむ方法になります。そして、たった1足の最適なシューズを見つけることができればシューズ選びに悩む必要もなくなり、このランニングの経験をより直感的なものにできるのです。これこそが、グラベルランニングがその他のランニングとは異なる点です。

あなたにとって、グラベルの何が特別なのでしょうか?

私は走るのが好きですが、何よりも、楽しみながら走るのが好きなのです。このため、緩いペース走は好きではありませんが、レースに参加するのは大好きです。私の人生を決定づけていたルーティンを断ち切るのに何年もかかりましたが、グラベルランニングは、アマチュアランニングのルーティンと習慣を断ち切る方法のように感じています。そう、より自由に、より手間なく。

JULIEN BOTAS: DRUMS AND RUNS (ドラムとラン)

 

グラベルランニングとロードランニングの違いは何ですか?

グラベルランニングは、地形の種類は 1 つだけではありませんし、特定のスタイルもありません。コンクリートの上を走るか、道路の脇を走るか、曲がってトレイルを走るか、いつでも決めることができます。準備も決まった道もなく、自由な気分で走るのが好きなんです。シューズを履いて、足が導くままにどこへでも行きます。

グラベルコミュニティのマインドセットはどのようなものですか?

グラベルコミュニティは、距離や地形の制約を受けずにランニングの楽しさを共有することが目的です。ただ一緒に走りたいだけなのです。コミュニティを持つということは、自らの経験をシェアする方法になるのでとても重要です。ペースなどを気にせず、ランニングについてチャットしたり意見を交換したりすることができます。それが、私たちが求めている“自由”なのです！

グラベルスピリットを受け入れよう

グラベルランニングは、あらゆるレベルのランナーにとって魅力的な、自由、多様性、探求心のユニークな融合を提供します。ロードランニングのルーティンから抜け出したい場合でも、テクニカルすぎないトレイルランニングを楽しみたい場合でも、グラベルは完璧なバランスを提供してくれるのです。

そして、グラベルランニングとは、発見の喜び、変化に富んだ地形のスリル、そして目的地と同じくらい旅路を大切にするコミュニティの仲間意識のことなのです。適切なギアがあれば、路面をシームレスに切り替えて、本当に重要なこと、つまりランニングを楽しむことに集中できるでしょう。