スキー板 解放値の決定
スキー板をご購入される際は、以下の方法で解放値をご確認ください。
解放強度の調整と設定
解放値の調整設定は、トウヒールにある各々の調整キャップおよびネジによって行われます。解放値は、インジケーターによって目視確認できるようになっています。トウピースおよびヒールピースは、必ず同じ解放値に合わせてください。ねじれ強度に関する検査には、後述するISO11088に準拠した計測機器を使用することを強く推奨いたします。
解放強度の調整と設定
解放値の設定は、S-B-B認定整備技術者によって、ISO11088/ASTMF939/ASTMF1063/AFNORFDS52448などの国際基準に従って各々のスキーヤーに最適な決定がされなくてはなりません。
スキーヤータイプの決定
スキーヤータイプの区分は解放値に影響を与えるさまざまな重要な要素を考慮に入れ、スキーヤー本人と販売店スタッフとのやり取りによって決定されます。これらの要因は、前述の国際基準によって解説されています。
スキーヤータイプ1
- 控えめな滑り方
- 緩やかなスピードを好む
- 初中級コースを主に滑る
- 中級レベルの技術を持つが、体調が万全ではない
- 平均以下の解放値を好む。これにより転倒時の解放性能が高まる一方、 偶発的なビンディングの解放がおこるリスクも高まることになります。
スキーヤータイプ2
スキーヤータイプ3
- アグレッシブなスキーをする
- ハイスピードでスキーをする
- 中級者面~急斜面などの上級コースを滑る
- 平均以上の解放値を好む。これにより転倒時の解放性能が低下する一方、 偶発的なビンディングの解放がおこるリスクは減少することになります。
- スキーヤータイプ 3 は、体重22kg未満のスキーヤーの選択はしないでください
その他のスキーヤータイプ
上記のスキーヤータイプ 1/2/3の他に、下記の2つの種別のスキーヤータイプを選ぶこともできます。
スキーヤータイプ 1-
スキーヤータイプ 3+
スキーヤータイプ決定時の注意
スキーヤータイプは、技術レベルと必ずしも一致する訳ではありません。 たとえば様々な状況を滑る上級レベルのスキーヤーでも、アグレッシブな スタイルでの滑走を望まない場合には、スキーヤーコード 2 を選択することがあります。
解放値算出の手順
ASTMISO11088に基づいた以下の表を確認し、解放値をご確認ください。
- スキーヤーコードの選択
スキーヤーの体重および身長をチャートから選択します。もし、身長と体重 が同じライン上に無い場合には、よりチャートの上部に近いラインを選択します。 - スキーヤーコードの調整
この方法で得られたスキーヤーコードはスキーヤータイプ1に該当します。 その他のスキーヤータイプに該当する場合には、下記の調整を実施してください。
スキーヤータイプ 1- → 1行上を選択
スキーヤータイプ 1 → そのまま
スキーヤータイプ 2 → 1行下を選択
スキーヤータイプ 3 → 2行下を選択
スキーヤータイプ 3+ → 3行下を選択 -
年齢および体重による調整
・スキーヤーの年齢が50歳以上、もしくは9歳以下の場合には、チャートの行上のコードを選んでください。
・スキーヤーの体重が17kg以下の場合、スキーヤータイプの選択は不適当です。
・ スキーヤーの体重が13kg以下の場合、スキーヤーコードを変更しないでください。 -
ブーツソールサイズの選択
スキーヤーコードが決定したら、次にチャート右側のソールサイズ列から該当する部分を見つけます。 - 交点の算出
スキーヤーコード行とブーツソールサイズ列の交点に示される数字が初期算出設定値となります。この数値をワークショップチケットの算出設定値欄に記載をします。 - 注意点
もしスキーヤー・コードの行とブーツソールサイズ列の交点が空白の場合、同一の行にある数値が記載された欄の数値を選択するために、横方向に動かすようにします。 - 最終解放強度設定値
特別なリクエストがない限り、この初期算出設定値が最終解放強度設定値となり、トウピース・ヒールピースを同じ数値で調整します。もし特別なリクエストに応じた場合には、ワークショップチケットの特記事項欄に概要を記載し、その数値を最終解放強度設定値欄に明記します。