日々の生活の中で触れたものや感じたことなど、一つ一つが重なり調和することでそれぞれのスタイルとして表れる。毎日欠かさず履くシューズはそんなスタイルを足元から支えてくれるものだ。クリエイティブなシーンで活躍するアーティストやクリエイターへのインタビューを通じて、生活や仕事におけるSalomon Sportstyleとの関係を紐解きながら、確固たる芯をもったスタイルに迫る企画『Be Creative / Be Active』。第三弾でフィーチャーするのは猪塚慶太。


猪塚 慶太 (スタイリスト / K8.0)

日々興味の赴くまま活動中。
主にヴィジュアル制作とK8.0プロジェクト。

日常に溶け込み感性を刺激する

日常に溶け込み感性を刺激する

“テックウェア”や“ゴープコア”がファッションのトレンドの1つとして語られることが多いが、Salomonはその中核を担うブランドの1つと言えるだろう。第3回目となる今回は、こうした現在のシーンにも精通する猪塚慶太をフィーチャーし、クリエイションとの向き合い方について話を聞いた。普段からSalomonのプロダクトを愛用し、日々洋服と共に過ごし、ヴィジュアル制作とK8.0プロジェクト活動を行っている視点からSalomon Sportstyleの魅力を紐解いていく。

ー 今回、ACS PROのホワイトを使ったスタイリングを2体組んでいただきましたが、それぞれのテーマやポイントを教えていただけますか?

どちらも本当に普段通りの着こなしです。1体目のポイントは“白”と“リネン”ですね。毎年夏になると、白Tシャツ、リネンパンツに白いシューズを合わせることが多いですね。コンサバティブなアイテムをその時の自分のムードやサイズ感で着るのが好きです。日本の夏は本当に暑いので、リネンのような涼しいオーガニックなマテリアルとテクニカルなプロダクトを合わせて、快適に過ごせるスタイルで乗り切っています。自分の中では“N-SYSTEM”とか”N-TECH”と勝手に命名しています(笑)。“N”はナチュールの”N”です。“N-SYSTEM”にSalomon Sportstyleはマストですよ!!

ー 猪塚さんはよく白Tを着てらっしゃるイメージがあります。

そうですね。本当によく着ています。これは2年前に自分のプロダクトとして制作したK8.0/2PAKの白Tです。タイトなシルエットがお気に入りのポイントです。シンプルだけど我ながら良い出来だなと思っています(笑)。

ー 2体目のスタイリングのテーマを教えていただけますか?

ツルツル(笑)。

 

ー たしかに1体目と色のトーンは似ていますけど、スタイリング全体の素材感が違いますね。

このスタイリングはテックウェアを着つづけた人の成れの果てだと思っています(笑)。トップスはシンプルなジップアップブルゾン、ボトムスは5ポケットパンツとどちらもベーシックなアイテムのスタイリングなのですが、1体目の“N-SYSTEM”とは打って変わって、全身ナイロン素材。かといってテクニカルなファンクションやディティールは存在しない。ワンポイントで足元にテクノロジーを入れる。この”less”な感じが今のムードです。

ー Salomonのスニーカーのどんなところに魅力を感じますか?

ちょっと、ChatGPTに聞いてみますね。お~、お~流石!わかりやすく解説してくれますね!!
魅力がたくさんあり過ぎますが、まずは言わずもがな、アウトドアアクティビティでのパフォーマンスが圧倒的に高いところですよね。自分はプライベートや撮影で山に行ったり海に行ったりすることが多いのですが、Salomonを履いているとパフォーマンスが断然に上がりますね。土や砂にまみれたり、水に濡れたり、山を登ったり降りたりしても足元がプロテクトされているのは本当に頼もしいし、助かりますね。

 

ー 普段の日常生活でもよく履かれますか?

はい!よく履いています。日々の生活を最適化して楽ちんに過ごしたいので、身の回りに機能的なプロダクトがマストなんですよ。もちろんおしゃれすることも大好きなんですけど、基本的にはシンプルかつ実用的なものが好みなので、そうなるとスマートかつ丈夫なギアものをついつい求めてしまうんですよね。自分は自動車免許がないので、東京での日常生活はほとんどが徒歩での移動なんですね。衣装を集めたり、ロケハンに行ったり、もちろん撮影の時にもSalomonのシューズは重宝しますね。一日中歩き回っても疲れないし、コンクリートとの相性も抜群に良いですよね。打ち合わせの時なんかも違った意味で威力を発揮してくれますよ。黒やグレーのセットアップの足元にオールブラックのSalomonのミニマムな合わせはスマートで最強ですよね。仕事が出来る感を醸し出してくれます。いつも本当にお世話になっています!!これからも宜しくお願いします!!

 

ー たしかに、アウトドアでのパフォーマンスだけでなく、都市の景観とマッチするデザイン性がSalomon Sportstyleの大きな魅力ですよね。

自分はガジェット系も好きなんですが、Salomonのシューズにはそれと同じような感覚を個人的にもっています。ファッション色が強すぎるシューズがあまり得意ではなく、デザインと機能美が両立しているものが好きなんです。こういうプロダクトの完成にはどのくらい人間工学の技術が必要なんでしょうか?なぜこんなデザインになるのか、なぜこのようなディティールが必要なのか、興味が尽きないです。さらに、Salomonさんは完全に色々なカルチャーを巻き込みましたよね。しかもブランドさん側が巻き込もうとして巻き込んだわけではなく、カルチャーの方から歩み寄ってきたじゃないですか。そのあたりの文脈も好きな魅力の1つですね。やっぱり見ていて楽しいですよね。日々、刺激をもらっています。

新たな表現を模索する飽くなき探究心

新たな表現を模索する飽くなき探究心

ー 先ほどご自身でつくられた白Tの話がありましたが、その他にもバッグやダウンフーディもつくられていますよね。

そうですね。今まで12型ほど生産していて、2年半前に”K8.0HIKING TROUSERS”というユーティリティトラウザーズをつくったのが最初ですね。それからFood Courtシリーズというバッグをつくったり、”K8.0MASHROOM”というダウンフーディをつくったり、自分が着たいもの、使いたいものを楽しくユルユルとしたタイミングで発表しています。

 

ー 次はどんなものをつくる予定ですか?

7月後半に先ほどの“N-SYSTEM”搭載のリネントラウザーズを発売しまして、今はFood Courtシリーズのバッグを海洋プラスチック素材で製作中ですね。あとはブランドさんとのコラボレーションが何個か進行中ですので楽しみに待っていただけたらって感じです。

 

ー 最初にご自身でプロダクトをつくろうと思ったきっかけを教えてください。

スタイリストの仕事は、基本的には他の誰かがつくった洋服に対して様々なアプローチをしていくことがほとんどだと思うのですが、自分も今までスタイリストとしてビジュアルディレクションなども含めて長いことやってきたのですが、0地点からモノをつくってそれをビジュアル化することを今までやったことが無いなと思ったんです。年齢も重ねてきているので、シンプルで丁寧かつ時間的にも堅牢度が強いプロダクトをつくろうと思ったのが最初のきっかけでしたね。映画も音楽もアートの展示を見に行ったりするのも本当に好きなので、洋服じゃない可能性もあるかなとは思ったのですが、やっぱり自分にとってはファッションが一番身近なものだなと思い洋服をつくりはじめた感じですね。

ー インスタグラムを拝見していると、プロダクトを発売するタイミングで毎回3DCGの映像もポストされていますよね。あれもご自身で制作されているんですか?

最近は自分で制作していますが、Food Courtシリーズの最初の2本のアニメーションは自分の3DCGの師匠でもあるWIKにお願いしました。3DCGの世界は楽しすぎて、色々やりたいことを想像するだけでワクワクしちゃいますね。自分の技術はまだまだまだですけどね。

 

ー どうして3DCGに興味をもたれたんですか?

写真もとても好きで、自分でも撮りたいと思いカメラを購入して勉強もしたのですが、自分の周りのフォトグラファーのスキルを見ちゃうとやはりプロにお任せした方が作品のクオリティが間違いないなと思い。。ならば、スタイリングと3DCGの二刀流は見たことがないぞと思い、Youtubeでチュートリアルを観ながら学びはじめた感じです。当面は3DCGと実写の写真や映像との境界がわからない面白いビジュアルをつくるのが目標ですね。やっぱりビジュアル化するにはそのテクノロジーの技術や仕組みをある程度理解しなければ『これがやりたい』っていうアイディアだけがあっても、一緒に仕事をするクリエイターさんに自分のやりたいビジョンを正確に伝えることができないし、自分も100%理解出来ないじゃないですか。だからここ3年くらいは基礎から色々と勉強しています。

ー 新しいことを覚えるのは大変ではないですか?

めちゃ楽しいです。逆に新しいことを学んで取り入れていかなかったら自分のやっていることに飽きてしまうかな。何か新しいことに挑戦する才能とそれを継続して頑張れる才能は自分にはあるのかなと思います。今はAIなどのテクノロジーを面白く使って、新しいファッションヴィジュアルを楽しんで模索しています。もう何屋かよく分からなくなってきましたが。とはいえ、従来通りのスタイリストとしてビジュアルをつくるのも楽しいですよ。スタイリストの仕事はお洒落な肉体労働者ですね。撮影のコンセプトを考え、プロダクションとして予算を組み、円滑に撮影出来るように香盤をつくり、モデルキャスティング、みんなのご飯の手配、衣装を集めてスタイリング組んで、撮影して、ポスプロして、、、(笑)。最終的に必要なのは体力とガッツです。だからSalomonが必要なんですよ(笑)。

 

ー 今でもモデルハントとかもされますか?

もちろんしますよ。どこにいても良い感じの人がいれば声をかけるし、インスタグラムでDMを送ったりもします。これはみんなやっていることですよね。モデハンに限らず、面白そうなフォトグラファーさんとかアーティストの方とか、興味がある方には直接連絡して会いに行ったりしています。

 

ー インスタグラムは結構活用されてるんですね。

そうですね。逆に海外のデザイナーさんやアーティストさんの方からもDMをもらったりしています。お前は一体何者なんだ?みたいな(笑)。

 

ー たしかに、3DCGの画像や映像をよくあげてらっしゃるので、インスタグラムだけだと本職が何か分からないかもしれないですね(笑)。

最近は、ファッション系以外の面白い方とも謎に繋がったりするので、仲良くなって新しい世界が広がるのが楽しいですね。何かを自分で発信していれば誰かが見つけてくれるし、良い時代です。いつかSalomonさんのワールドキャンペーンのお仕事もしたいですね!!

日々、森羅万象、興味の赴くままに活動し、新たに服づくりや3DCGの制作に取り組むようになった猪塚。人々のライフスタイルや価値観は大谷翔平のMAX165kmのストレートの如く目まぐるしいスピードで変化していくが、猪塚の話を通じて、新しい世界に自ら飛び込み、あらゆる変化を楽しみながら前進する姿勢がスタイルに奥行きをもたらすのだと改めて実感することができた。スタ
イルを足元から支えるSalomon Sportstyleは、単に歩きやすいという機能をもったプロダクトではなく、目標を掲げて新しいことに挑戦する人たちの背中を押してくれる存在なのかもしれない。


FOCUSED ITEM

ACS PRO

トレイルの歴史に根ざした定番を機能的に進化させた典型的なテクニカルフットウェアです。
伝統に忠実に。2000年代半ばのデザインを革新的な Agile Chassis™ Systemで機能的にアップグレード。


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