アウトドア雑誌『ランドネ』の登山企画に突如として登場したyama。その山行を支えたSalomon Products。
SNSを中心に話題を集め、活躍の場を広げ続けるシンガーyamaが山に魅せられたきっかけ、
生活や仕事におけるSalomon との関係を紐解くスペシャルインタビューを公開。


yama (アーティスト)

SNSを中心にネット上で注目を集める新世代シンガー。2018年よりYoutubeをベースにカバー曲を公開し活動をスタートし、2020年4月に自身初のオリジナル楽曲「春を告げる」が多くのヒットチャートでトップにランクイン。繊細で芯のある歌声が多くのリスナーの心を掴み、ライブやフェスなどにも活躍の場を広げている。

yama

山は心に余白をくれる

山は心に余白をくれる

2023年夏、yamaは北アルプス・燕岳の稜線上にいた。
Salomonのシューズやハードシェルを身にまとい、雲海を眺めるシンガーは「山は心に余白をくれる場所。そこに身を置くことで、自分が表現したい本質を冷静に見つめられる」と話す。
山に行く理由。そして、Salomonとともに過ごすアクティブな時間が、yamaのクリエイションに与える影響とはなにか。

ー どうして山に登るようになったんですか?

もともと自分はすごくインドアで、家でずっと音楽を作っているような人間なんです。ただ、子供のころは田舎に住んでいたので、身近なところに自然があって。でも、東京で暮らすようになると、周りに自然は少ないし、慌ただしい日々が続く。そんなときにふと、街の喧騒を忘れて自然の音だけが聞こえる環境に行きたいと思うようになったんです。それで、呼び寄せられるように小さな山に登るようになって。高尾山だけでも4〜5回は歩きましたね。気がついたら登ってるみたいな感じでした。

 

ー その後、富士山に登ったのが本格的な山登りの始まりとか。

そうですね。自分はyamaという名前だし、せっかくだからちゃんとした山に行ってみようということで、山の日(8月12日)に富士山に登りました。いきなり日本一の山なので体力が持つか不安はあったけれど、実際に歩いてみるとほどよい過酷さでした。一人ではなくチームで登ったんですけど、それぞれが黙々と歩く時間もあれば、音楽や人生の話をする時間もあって。感覚としては山頂まであっという間でしたね。ご来光を見ることもできて、そのときに「また山に登りたい」と思いました。

 

ー 山ではどんな話をしたんですか?

音楽や人生と山登りは似ているかも、という話はしましたね。音楽って正解があるわけではないし、3年後に食えているかわからないという恐怖感もある。ただ、それでもやりたいんです。山登りも登っている最中は苦しいけれど、それでも一歩一歩進んでいくし、ひとつの目標を超えたら次の目標を目指したくなる。だからおもしろいんだな、って。

 

ー アウトドア雑誌『ランドネ』の撮影では、北アルプスの燕岳や乗鞍岳にも登っていますね。富士山とは違う印象でしたか?

富士山は同じような景色の中を延々と登る感じだったんですけど、燕岳は風景がころころ変わっていくのが楽しかったですね。日本には「神聖すぎて怖い」と感じるような森や山もあるけれど、燕岳は明るくて迎え入れてくれているような気配があって好きな山でした。ただ、登山ルート自体は富士山よりもハードで、一緒に行ったメンバーは苦しんでいましたね。乗鞍岳は、とにかく風が強くて寒かった思い出が(笑)。でも、富士山、燕岳、乗鞍岳を登ったことで、山といってもいろんな山があることを知りました。

ー街にいるときと山にいるときでは、どんな心の変化がありますか?

街にいるときは、目の前のやらなきゃいけないことに対して一所懸命で、心に余白がない状態になっているときがけっこうあるんです。でも、山に登っているときは、慌ただしい生活をしている自分が遠のくというか。心に余白が生まれて、ある意味で冷静になれる感覚がある。目の前のことから一旦離れて、もっと大きな視点で「自分が音楽を通して表現したいことってなんだろう?」という本質的な問いに立ち返ることができるんです。やっぱり目の前のことばかりやっていると、その場しのぎの音楽しかつくれなくなってしまう。せっかく音楽を仕事にできているのだから、どの時代に聞いても「いいな」と思ってもらえるようなメッセージや音を曲に込めたい。山は、そんな自分の気持ちにあらためて気づかせてくれる場所ですね。

少しずつ自分を開示していきたい

少しずつ自分を開示していきたい

ー 燕岳や乗鞍岳ではSalomonのシューズやウエアを身に着けていました。Salomonに対する印象は?

プレゼントで貰ったCOMME des GARÇONS × Salomonの厚底のスニーカーをずっと履いていることもあって、山登りを始める前からSalomonのシューズが好き。最近は、古着屋でSalomonのビンテージを買ったりもしますね。だから今回燕岳や乗鞍岳を歩くときも、Salomonが真っ先に頭に浮かびました。

ー 山ではXT6ゴアテックスを履いていましたが、実際に使ってみてどうでした?

アウトドアシューズなのに、ちょっとモードな雰囲気もあってかっこいいですよね。いわゆるハイカットの登山靴ではないので、履いたり脱いだりするのも楽だし、もちろん軽くて歩きやすい。ウエアやシューズって見た目も大事だけれど、やっぱり使い勝手も重要。だから軽いとうれしいし、履きやすいとうれしいし、デザインもいいとなおうれしい。山だけでなく普段づかいしたくなるシューズだと感じました。

ー ステージ上で身につけるアイテムへのこだわりは?

本当の自分はよわよわなんですけど、ステージに立っているときはできるだけクールに見せたい。だから、自分を強くかっこよく見せてくれるような服や靴を選ぶことが多いですね。身につけているものに勇気づけられることって、実は多い。ステージ上で身につけるものは仮面を含めて、自分を守ってくれる鎧のような存在だと思っています。

 

ー 仮面ではなくサングラスで山を歩いていることも印象的でした。

もともと仮面をつけ始めたのは、人前に立つ自信がなかったから。自分のダメなところや弱いところを見られたくないという思いが強かったんです。音楽ってやっぱりつくり手の人柄を通して伝わる部分があると思うので、自分の嫌いな部分で音楽を穢してしまうのがいやだったんですよね。でも、音楽を3年間仕事にしてきたで少しずつ自信もついてきたし、自分の弱さを許せる感覚もある。それに人間としての弱みが見えたほうが、伝わるものもあると思うんです。だから、より深く音楽を愛してもらえるためにも、少しずつ自分を開示していきたい。最近はそう考えるようになりました。

ーそんな心境の変化はこれからのクリエイションにも影響しそうですか?

自分に自信が持てるようになったことで、音楽性や音楽のつくり方は確実に変化していると思います。たとえば現在制作中のアルバムではチームでセッションやディスカッションを繰り返しながら曲を作っていますが、これは昔の自分にはできなかったこと。一人で制作をしていたときは、他人に自分の意見を言えるほどの強さがなかったと思うんです。でも今は、「これが好き」「これはあんまりよくない」と自分なりの意見を伝えながらコライトしているし、それによって確実に音楽性も広がっていると思います。

 

ー アルバム制作は順調ですか?

楽しいといえば楽しいけれど、創作はやっぱりつらいですね(笑) 最近もアルバムに向けて頑張っているけれど、本当に自分を絞り出す毎日で。悩みだしたらきりがないし、抜けられないトンネルにずっとハマっているような感覚です。でも、そんな苦しみがあるからこそ、いい曲が生まれたときは大きな達成感を感じますね。

 

ー 音楽をしていて「楽しい」と感じる瞬間は?

曲作りも楽しいけれど、つらいからなぁ。やっぱりライブですかね。音楽を奏でてグルーブが生まれて、お客さんと自分の「楽しい!」がシンクロして会場がひとつになる。そんなときに「音楽って最高だな」って感じます。

2020年のデビュー以来、自分自身と向き合いながら表現の幅を広げるyama。自信と実力を深めながら先へと進むその姿は、どこか山登りとも重なって見える。一歩ずつ、着実に。他の誰にも似ていない道を進み続けるyamaの足元を、Salomonが支えている。


FOCUSED ITEM

XT-6 GORE-TEX

Salomon のトレイルの伝統を受け継ぎながら技術性が際立つ XT-6 GORE-TEX は、熱狂的なファンを持つスニーカーに進化しました。革新的な PFC フリー ePE メンブレン、砂よけメッシュ構造、耐久性のあるクッション、距離に左右されない安定性が、都会の過酷な条件下でプロテクション性を発揮します。


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